見た感想としてはすごく良かった。2の正当な続編としてきちんと次も繋げられるようなシナリオに整理されていてよかったと思う。
ただ、見終わったあとで「3もよかったし4もよかった、ジェニシスもよくてこれもいい」というくらいの良さではあった。2以降の歴代の作品がそうだったように、権利があっちこっちに行って結局また新しい続編が作られてしまわないかな、というのが心配だなとも思った。3でサラ・コナーが死んでしまい、ジェニシスではジョン・コナーがターミネーターになって事実上死んだりしてるわけで、考えてみるといろいろなパターンがあったんだなあ。
今度のT-800はどんなエッジケースを持ってきてくれたか
T2ではT-800が味方になり、自身の特徴をジョンに様々語ってくれたくれたおかげで、T-800についていろいろな想像を働かせることができたのも楽しみの一つだった。
ジェニシスではT2の「パワーセルの寿命は120年」について、そこまで行かなくても30年以上稼働し続けるとどうなるのかというのを教えてくれた。T1とT2のT-800ってピストルやマシンガンの弾をもろともしないけど、意外と数日とかで壊れちゃうので、連続して稼働するなんていうのはまったくなかったのだ。パワーセルは大丈夫でも、確実に生体組織が年をとってしまったり、関節がだめになったり、学習が進んで無駄に人間ぽくなったりしてたという回答があったのが特に良い。
今度のニューフェイトでは「任務完了したら存在価値はない」ということについてであると思う。「任務完了したあとは存在価値がないと言ってもどうなるのか」ということになる。
今度の敵こそヤバいのか
T1とT2が名作だなと思うのは、T-800やT-1000の不気味さと多分不死身でどうやってぶっ壊せばいいのかわからないというところにあるのが一因のはず。どんどんハードルがあがってしまい作る側はしんどそうだ。
敵が強くて不気味という意味においては3のスカイネットは絶望感が半端なかったし、T4のT-600の重火器は人間がぶっ殺されるには十分すぎて怖い。
しかし、T2以降はT-1000を超えるほどの絶望を感じるほど、敵が斬新かつ強いという条件を満たしてくれる刺客が現れなかったかなとも思う。ニューフェイトのREV-9はそれに答えてくれるだろうか。
強化人間というヤバそうなの
グレースは守護者としてダニーを守るが、普通の人間ではなく強化人間である。なんか不気味でエイリアンっぽくもあったREV-9の攻撃を受けて瀕死の重傷を負ったときの「強化人間にしてくれ」というそのセリフにはなんかヤバそうな覚悟を感じた。
これは強化人間になったときに何のヤバさがあるのか、強化人間はどうやってできて、強化人間を作り上げるのにどのような犠牲があったのかとか掘り起こし始めると多分ヤバいのがたくさん出てきそうで、掘り下げると人間のヤバさも浮き上がってきそうで想像が捗る。サラーコナークロニクルズではT-800を味方にしようとして暴走してしまうなんてシナリオがあった気がするし。ヤバそう。
T4の時代にも似たようなT-RIP型がたが、多分1体だけのようにもみえる。こちらは何人強化人間にされたのだろうか。そのうち何人が強化人間になれて、それ以外はどうなったのだろうか。「闇」を感じるのは気の所為とか、考えすぎかな。
これの続編が来るとしたら、REV-9のエイリアンぽさなのか、強化人間の「闇」なのか、どちらにしてもヤバそう。
新しい世代へのバトンタッチをしたとも見える
新しい概念と物語の整理を行ったことで、新しい世代にバトンタッチをしたようにも感じた。バトンタッチがうまくいったのか、いかなかったのかというのはもう少し先になったらわかることなのだろうか。
T1やT2を踏襲した上でサラの感情をうまく描いていたと思うし、「ああ、なるほど。そうなったらそうだよね」と思わされることも多かった。ストーリーもよかったから、次へのたたき台としても面白そうだったなと思ったけど。