ワニはもう死んでいる

100日後に死ぬワニが、死ぬ日になった。

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死ぬということがわかるが、死ぬ理由がわからないので、死ぬ理由を推測してみることにした。おそらくもう死んでいる。

ワニの死因

100日後に死ぬワニのワニは、若そうに見えることと、99日目までもっともらしい命を落とす兆候を見せなかった。ということは、「残りの1日で死んだことがわかる」ということである。100日後に死ぬワニの1日のフォーマットは4コマなので、死を表現するのが4コマしかないということになる

ぼくはワニが死ぬとしたら交通事故で轢かれて死ぬということを予想していたが、4コマしかないのでこの死ぬというのは難しいということに気がついた。車に轢かれて死ぬには、車に轢かれたことと、死ぬことを表現しないといけない。次のようにたくさん表現しないといけないことがあるはずだ。

  1. 街を歩くワニ
  2. 車に轢かれた
  3. 頭を打つなど致命傷を負った
  4. 救急車で病院に運ばれる
  5. 友人家族が駆けつける
  6. 死亡の宣告

轢かれただけでは怪我だけですんでしまう可能性が捨てきれない。ねずみのように足を骨折したシーンがあったので、読み手に誤解されるだろう。

では、毒を飲むにしたらどうだろう?誰が用意するのか?自分で用意するのか?これを4コマで表現するのは至難の業だろう。

では、病床に居て心電図が弱っていく脈拍をピという音と波形で示し、それが弱っていってピーという音になる?99日目まで死ななかったワニが、いきなり病床もおかしい。これも難しい。

となると、拳銃などで打たれる?誰に?また、打たれたとしたら急所を打たれたと理解しないといけない。ワニの急所なんて知らん。それを4コマで表現は難しいだろう。

コマが足りないなら何が思い浮かぶだろう?ワニの1日は4コマで表現されるだけでなく、1日はきちんと我々と同じように24時間あって流れているようなので、裏で何かが起こった、言い換えるとコマの外で何かが起こった、何かとはワニが死ぬことなので「コマの外でワニが死んだ」と考えるのはどうだろう?

コマの外で死んだならば、一つ思い浮かぶのがある。突然死だ。ワニは夜になったら眠るようなので、眠りについたあと、何らかの理由で心臓が動かなくなったというような突然死ならば説明できるのではないだろうか。そして、20日19時になったときに見せられる4コマは次のようになるのではないか。

  1. ネズミなどがワニの家に行く
  2. ワニの部屋に入る
  3. ワニが布団から動かない
  4. ワニは死んでいた

これなら交通事故よりコマ数が少なく死を表現できるはずだ。

死因はそんなに重要ではない

とは言ったものの、「ワニという生き物が普段の日常を送っていたら、いきなり脈絡もなく死んだ」というのが100日後に死ぬワニだと理解しているので、そもそも死因というものは重要なものではないはず。死んだあと、おそらく急激に変わる周りの状況はどういうものなのだろう、死ぬはずのない人(ワニ)がいきなり死んだとき、皆どのようになるのだろうというのが気になる。

だから、小学館から発売されるらしい描き下ろしに期待している。

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追記

100日になって公開された話は、おそらく事故だったようだ。これはなぜかというと、13コマあったからだ。これならば死に対してコマを割くことができる。名作は最終話にコマをたくさん使うことを忘れていた。

素晴らしい話だったと思う。

しかし…ワニに対して喪に服す時間がほしいと思うくらいに商業的な話が直後に出てきたのでなんだか違う意味で悲しい気持ちになった。